大回り関東一周の旅

皆さんは「遠回り乗車」というのをご存知でしょうか?
詳しくはこちらのサイトを順次見ていただければと思いますが、
東京を始めとする大都市近郊区間内なら途中下車しない限り好きな経路で移動することができる
ことを利用して長いルートを回ることを俗に「遠回り乗車」といいます。


会社で一緒に仕事をしているAさんが、昼休みに東京近郊路線図(注:PDFファイルです)を見ながら、
「今週末暇なんで、安くどこかへ行こうと思ってるんですが、途中下車しなければ、
近郊区間なら大回りできるじゃないですか。で、どういうルートがいいですかねえ?」と言われました。*1
Aさんは大阪から単身赴任中で、いずれ戻ることになるため、今のうちに関東を巡っておきたいとのこと。
最初はAさん一人で計画していましたが、最近自分もこういう「鉄」な旅はやってなかったので、
せっかくだから乗っからせてもらおうということに。結果2人の珍道中ということで以下報告です。
以下に紹介する今日のルートは上述の近郊路線図PDFをご覧になりながらだとわかりやすいと思います。


○2006年6月4日 上野駅10番線  AM 8:19発

本日の出発地は上野駅常磐線にて北上です。電車は最新鋭E531系。

東京都内から郊外へ行く逆方向、さらに朝早いということもあり、結構ガラガラの常磐線
天気は雨は降っていないものの、何かすっきりしない天気で非常に残念。
途中2回も特急電車に抜かれながら、最初の乗換駅友部に到着。


○友部 10:17着 10:22発

都合のよいことで乗り換え時間5分という接続のよさ。しかもホームは向かい。
ここで常磐線から水戸線に乗り換え、一路西へ向かいます。

関東平野の北辺を淡々と走る水戸線
休日だというのに学生の乗車が多く、車内は立客は出ないものの椅子はすべて埋まる感じ。
順調に走っていると思いきや、なぜか3分遅れで小山に到着。小山の乗り換え時間5分なのに…。


○小山 11:23(+3分)着 11:28(+α分)発

端にある水戸線ホームから反対の端にある両毛線ホームまで走ってどうにか間に合いました。
水戸線の車内放送で接続をとりますとは言ってましたが、たぶん走らなかったら間に合わなかったですね。
乗った電車はほぼ満席。前のほうまで4両の車内を歩いて何とか席を確保。
しかもこの電車、ロングシート107系でがっかり。

やっぱり旅はクロスシートじゃないと味気ないよねというところ。
しかも両毛線、小山から高崎までは、1時間40分の長丁場。
天気もいまだすっきりせず、気分もすっきりしないまま旅はまだ序盤戦。
佐野、足利、桐生と電車が進んでも、客は入れ替わるが乗客数は減らず、
伊勢崎からはますます人が増えて、前橋を出る頃には立客も増えてもう満員状態。
ちょうどみんなが高崎やその先の東京へお出かけする時間と重なったようです。


○高崎 13:10着 13:35発

高崎へは予定通り到着。ここで25分時間があるので、弁当を購入して昼食をと考えたが、
弁当購入後に八高線ホームで駅そばを発見。まず駅そばで腹を満たすことに。
しかし、駅そばを食べている間に、列車が到着し、乗り込むのは発車間際になってしまいました。
2両しか車両を繋いでおらず、しかも2時間ぶりの列車とあって、危うく立席の危機。
さすがに立ちはまぬがれましたが、ボックス席にギュウ詰めで出発。

その混雑も群馬藤岡を過ぎると一段落。冷房もしっかり効くようになりました(笑)*2
列車もすいたところで、高崎で買ったお弁当は八高線車内、寄居を出たところで食べました。
私は上州舞茸弁当、Aさんは定番だるま弁当でした。


高麗川 14:58着 15:03発

次の乗換高麗川には定刻どおりの到着。寄居あたりでは空いていた列車も、高麗川ではほぼ満席。
高麗川の乗り換え時には、川越線との乗り換え客も合わせ狭い地下通路が大混雑。
5分の乗り換え時間が結構ぎりぎりでした。しかし遅れはなく定刻の発車。
高麗川からの八高線209系3000番台ロングシート

しかしながら両毛線とは違ってこの区間ロングシートの電車しか走ってないからしょうがない。
特に何事もなく八王子まで淡々と進む。ただ一点思ったのは、やはり電車は速いということ。
直前の高崎から高麗川までは気動車だったので、すごく実感できました。


○八王子 15:46着 16:00発

八王子には定刻着。橋本からの相模線の都合もあって、ここでは余裕のある乗換です。
本数の多い横浜線は一本見送ることができましたよ。八高線では考えられない。
横浜線はおなじみ205系。昔の山手線と同型、同色ライン入りです。ついでに6扉車両も連結。



○橋本 16:12着 16:19発

横浜線はわずか4駅10分ちょっとの旅。今回の旅行中最短乗車時間の路線でした。
橋本からは相模線に乗り換えて、一路海を目指して茅ヶ崎へ南下です。
電車は同じ205系でも相模線専用の500番台。ドアは乗客自らがボタンを押して開閉します。

相模線は学生を中心に乗客多く本当に大盛況。
相模線はもっとのどかなイメージがありましたが、これを目にして、
いまや首都圏交通の一環を担う重要な路線になっていることを実感。*3
スピードも結構速くて1時間で茅ヶ崎へ到着しました。


茅ヶ崎 17:17発 17:20着

わずか3分という相当あわただしい乗り換え。当然ぎりぎりの乗車。
始発ではないので、せっかくクロスシートの電車なのに、ロングシート部分に乗車。
座れただけでも良しとしますかね。で、いよいよ旅も最終行程。
茅ヶ崎は意外と東京から近く、40分あまりで今日の最終目的地品川へ到着。18時04分でした。

品川駅構内の居酒屋で夕食を食べて解散と相成りました。


○総括
まあ9時間も電車に乗り続けるという、バカらしいといえば間違いなくバカな企画だったのですが、
とりあえずできるということにびっくりしました。
自分は、水戸線両毛線八高線、相模線とそれぞれの線区には乗車経験はありますが、
同じ日にすべて乗ったのは当然初めてだったわけです。
そして長丁場だとやはりクロスシートがいいですね。
ロングシートだと外の景色見るのに、首をひねらないといけないからです。
そういう意味で本当に両毛線はきつかった。昼食前でひもじかったのもあるんだけどね。


電車に乗るのが苦でなくて、1日暇な日がある人にお勧めします。
なんと言っても今日の電車賃は初乗り130円だけですからね。しかも合法。
一番お金のかからない壮大な旅行だと思います。
ただ気をつけないといけないのが改札を出るとき。
一番上で取り上げたサイトにも書いてありますが、最近の切符は(suicaも同じで)
入場時刻をチェックして、そこからあまりにも時間が開きすぎると、通過させないようになっています。
そういう時は有人窓口で遠回り乗車の旨駅員に告げて出れば問題ないでしょう。

*1:会社内でも自分が鉄道に詳しいということは知られているので、こういう話はよく振られます

*2:藤岡までは冷房効いていないと思うくらい暑かったのよ、人が多くて

*3:まあ縦に結ぶ路線は少ないから重要度は高いんだよね